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瀧澤謙太選手の大晦日参戦を素直に応援出来ない理由

 

応援している瀧澤謙太選手のRIZIN3戦目が決定しました。

 

9月27日に金太郎戦、11月21日に扇久保戦と

ショートスパンの2連戦があったにもかかわらず、

前回から1ヶ月の超ショートスパンの大みそかにまた試合をします。

 

相手は佐々木憂流迦選手。

UFCにも参戦経歴のある、正真正銘の強豪です。

 

しかし、この大晦日の参戦を

手放しで応援することは出来ません。

 

瀧澤選手が嫌いになったわけではありません。

この試合をすることは危なく、

選手寿命や、もしかすると選手生命に関わるからです。

当然、MMAですから危なくない試合はないですが、

特に危ないと思っています。

 

なぜ、そういう思考になっているか

詳しく書いていきます。

 

 

4ヶ月で3試合はハイペースすぎる

まず、単純に9月末の金太郎戦以来、大晦日までの間に

3戦も消化することになります。

これはMMAではかなりハイペースです。

 

怪我で長期欠場が多発する競技なので、

年間何試合が平均なのかというデータは取れませんが、

だいたい3,4試合、多くても5試合がスタンダードだと思います。

年間3,4試合なら3ヶ月か4ヶ月に1回のペースですから、

MMAをよく見る方が、自分の好きな選手を思い浮かべると

怪我以外なら3ヶ月に1回くらいは試合を見ているなと

思うのではないでしょうか?

 

もちろん、試合が秒殺だったことで

試合で負ったダメージがないため、

短いスパンで試合をするパターンもあるでしょう。

 

ただし、今回の瀧澤選手のケースは違います。

 

 

・なぜ格闘技は年間3,4試合がスタンダードか

そもそもなぜ格闘技は年間3,4試合になってしまうのか?

私は格闘家ではないので身体の負担を経験したことはありませんが

側から見てもわかることはあります。

 

まず、顔面を含む頭部への打撃は脳へダメージがあることは

医学知識がなくてもわかることです。

打撃を貰って意識が飛ぶのは、脳震盪によるものですので

当然何の問題もないわけはありません。

 

最終的な後遺症としてよく知られているのは、

いわゆるパンチドランカーです。

Wikipedia; 慢性外傷性脳症

まだ研究段階のようですが、ここまでいくともう手遅れ感があります。

全員がそうなってしまったわけではないですが、

格闘技をする以上、シビアな判断が必要です。

 

そして、MMAを長い間見てきて実感するのは

皆だんだん打たれ弱くなってくること。

怪我や病気で打たれ弱くなる前に引退することもありますが

そうでない場合は、晩年にほぼ全員打たれ弱くなっています。

 

打たれ弱くなったと実感した時、すぐに引退するのは難しいです。

身体はまだまだ動くし、技術は向上しているのが実感できているのに

なかなか辞められないでしょう。

 

厄介なのは脳というのはダメージを教えてくれないことです。

例えば骨折していたり、靭帯を損傷していたら

患部に痛みがあるのですぐにダメージがわかります。

しかし、脳はダメージがあっても痛みがありません。

詳しく書いてあるブログがあったので引用させていただきます。

『しかし、脳がダメージを受けると、脳はそれを察することができません。脳という器官は、「今、僕の脳がダメージ受けています」とは決して言わないんですね。

よく試合でKOされた直後に「大丈夫、大丈夫」と倒された本人が言っているシーンをよく見かけますが、あれはダメージを受けた脳による判断ですから、本当に大丈夫かどうかは疑ってかからなければなりません。

(中略)

 また、脳には、痛みを感じないという特徴があることも覚えておかねばなりません。脳には他の組織に分布している痛覚がないんです。

(中略)

ですから、脳がガーンと思いっ切り揺れたとしても、痛みとして感じられることは少ないんですね。しかも頭蓋骨に包まれていますから、内部の出血や腫れも外から察することができず、非常にわかりにくい、見えにくい。膝なんかだと、蹴られてダメージを受ければ腫れたり、赤くなったり、動きが悪くなったり、痛かったりと、サインが出てきますのでわかるのですが、脳の場合は、脳の細胞が多少痛んでたり、脳の内部で出血があったりしても、外から見えません。

明らかに意識を失っている場合は別として、軽症の場合、ちょっといつもと違う、ちょっと意識が変容してくるというところでしか、見ようがないんですね。』

格闘技と脳のダメージ1 ~脳の特徴~ | Dr.Fの格闘クリニックより。

 

これを自覚している選手、トレーナー、

もっというと興行側の人間がどれだけいるのでしょうか?

案外少ないような気がしています。

 

 

瀧澤選手は前回の試合でノックダウンがある

冒頭で記したように、瀧澤選手は9月27日に金太郎戦、

11月21日に扇久保戦と2試合出ています。

どちらも3R判定で、お互いの打撃が交錯する試合でした。

 

特に前回の扇久保戦の3R序盤に、扇久保選手の左ハイキックで

ノックダウンをしています。

決して効いていないダウンではなく、瀧澤選手も

「一瞬意識が飛んだ」

と話していました。

 

そしてダウン後に一度立つも再びスラム気味に投げられたことも

ダメージにもなったことでしょう。

残り1分を切った時にスタンドになりましたが

フラフラな状態でした。

少なからず脳にダメージがあったことの表れでしょう。

 

KO負けではなかったものの、ノックダウンもKO負けと変わらないくらい

慎重に対応するべきではないかと感じています。

 

吉鷹弘氏のKO負け後の選手に関する見解や、

川尻達也選手のKO負け後の対処法がまとめてあります。

特に吉鷹弘氏の話は重要です。

『KO負けした脳へのダメージは30日そこらでは決して抜けきれるものではなく、CTスキャン等で医者から「問題なし、、、」という判断を出されたとしても、それを信じて試合に参戦することは危険極まりないものである。
何故なら神経系統の細かな損傷等まではわからないことが多く、CTスキャンの検査などで異常なし、、、と判断されても、パンチドランカーとしての症状が観られることがあるのだから、、、。

(中略)

すぐにスパーリングを開始する選手がいるが、脳というものは倒れたことを確実に記憶している為、ある期間(最低1カ月以上)をおかなければ、軽いパンチでも倒れてしまう、脳が倒れることを覚えてしまうのである。

※これは一度、癖になってしまうと未来永劫 取り除くことは難しい、、、、。』

ガイオジムBLOG: 格闘技やボクシングでKO負けをした後の対応と対処の仕方より。 

 

KO負けではないですが、ノックダウンもKOに近いダメージを負ったとするならば、

「30日やそこらで決して抜けきれるものではない」ダメージを抱えながら、

晦日に試合をすることになります。

 

相手は佐々木憂流迦選手。

グラップリングが得意な選手ではありますが、

打撃を全く出さないわけではありません。

いつもはダウンなんてしないような打撃で

倒れてしまうこともあるかもしれません。

そして、そのダウンでまたダメージを負う。

というスパイラルに陥る可能性もあります。

 

とてもじゃないですが

ここから1ヶ月足らずで試合をするのは危険なのは間違いありません。

 

 

試合のオファーを断る勇気

瀧澤選手も上記のことは理解していると思います。

実際、前回の扇久保戦が決まり、試合前の段階では

「よっぽど次の試合が秒殺決着でもない限り、大晦日はまず試合をしない。」

という旨の話をしていました。

 

しかし、扇久保戦で敗れてしまい、

試合後は少しニュアンスが変わってきました。

晦日はオファー次第だとか

負けたので取り返したい気持ちもある

というスタンスになっていました。

 

そして、RIZINからのオファーを受けてしまいます。

理性とファイターの本能では、完全に本能が勝ってしまうようです。

 

瀧澤選手のMMAファイターとしての弱点は、

試合のオファーを全て受けてしまう、断れないことだと思います。

特に瀧澤選手はフリーですから、強制的に止めてくれる人もいません。

 

瀧澤選手が試合を断れないのは、以前にもありました。

2019年の6月にパンクラスで外国人選手との試合が決まっていましたが、

相手が試合前日に欠場。

普通はそのまま試合が中止となるだけですが、

なんと、別選手のセコンドで来日していた

10kgも重い外国人選手との対戦オファーを受けてしまいます。

その後、対戦相手から血液検査の結果が提出されずに

結局試合が中止となって一安心でしたが、

もし実現していたら、選手生命が終わる可能性が高い

危険すぎる試合でした。

 

今回の試合の危険性は、同じか、もしかするとそれ以上だと思います。

試合が出来る時に試合のオファーを断るのは良くないですが、

出来ない時に断る勇気は必要です。

今回は試合が出来ない状態に相当すると思っています。

 

高校野球の投げすぎ問題に通ずるような話だと思います。

実力のある投手が高校野球で投げすぎたために

球団に入団後、怪我との闘いになったり、

球速やコントロールが劣化してしまい、

活躍が出来なかった例はゴマンとあります。

 

格闘家も同じような状態になっていると思います。

 

 

良識に欠けるRIZIN

一番の問題なのは試合のオファーを出すRIZINです。

なぜノックダウンのあった選手に

ショートスパンのオファーを出すのでしょうか?

明らかに選手の健康を軽視しています。

 

選手と興行側は、なかなか難しいですが対等な立場になることが理想です。

興行がないと選手活動は出来ませんが、興行側も選手がいないと成り立ちません。

持ちつ持たれつの関係であるはずなのに、

実際は興行側が大きい顔をしているのが実情です。

 

選手はオファーを聞いたら断れないことを利用して

無茶なオファーをしてくるのです。

選手が危険かも?とか一切考えていません。

 

瀧澤選手は既にRIZINの便利屋の一人になりつつあります。

(一番の便利屋は8月から4連戦の萩原選手)

そうはなってほしくありません。使い捨てされるだけです。

 

 

理想の結末は試合の勝利ではない

今回の試合に関しては、

理想の結末は試合で勝つことではないと考えています。

 

あまり願ってはいけないことですが、

大きな怪我以外の何らかの要因で試合自体が流れることが

理想なのではないかとすら感じています。

それくらいこの試合には反対でした。

 

試合の度に当然減量もあります。

瀧澤選手は水抜きはしていませんが、

それでも5kg程度の減量があり、

計量前日は何も食べれないくらいになります。

 

それを9月末から12月末のたった4ヶ月で

3回も±5kg行ったり来たりしているのです。

それだけで内臓の負担がどうなっているのか?

と感じます。

 

健康診断の問診票記入で、

この1年で体重の増減が2kg(あるいは3kg)あった

というチェックがあるくらい、

体重の増減は健康のバロメーターです。

それを超える5kgも痩せたり戻ったりを

短期間で繰り返しているわけです。

 

そもそも試合をしなくても健康に良くないプロセスは踏んでいます。

 

こんな背景がありながら、

「試合間隔短いけど頑張れ!」

なんて私は言えません。

 

瀧澤選手はファンをものすごく大事にする方です。

こんな無茶な試合間隔でも盲目的に応援していたら、

今後もファンが喜んでくれる、声援に応えようと

同じことを繰り返してしまいますよ。

 

私は瀧澤選手が群雄割拠のMMAの世界で頂点にのしあがるために、

自分が出来ることの最適解を進んでいただきたい。

この試合を受けることは、うまくいった時は最短手順かもしれないですが、

あまりにリスクが高すぎます。

 

格闘家本人からしたら、

「最初から命賭けているんだ、身体が動けば関係ないんだ」

という気持ちなんだと推測しますが

賭けなくていい命は賭けなくていいのです。

出来るだけケアをするべきなのです。

 

私は現役生活が全てではないと思っています。

引退後の方が人生は長いはずなのですから

その日々も充実するべきなのです。

 

そういうことを考えると素直に応援は出来ない。

というのが結論でした。

 

なので、前回あれだけ書いた

試合前の分析は今回はしません。

 

とにかく瀧澤選手の選手生命およびその健康を

大きく脅かすような結末にならないことを願っています。

 

大袈裟かもしれませんが、間違えたことは書いていないと考えています。

 

 

 

 

 

 

RIZIN25感想

 

RIZIN25の感想です。

本音を書くので結構辛口だと思います。

キックは詳しくないので、1試合除いて割愛させていただきます。

 

事前予想はこちら

 

朴光哲 vs. 白川陸斗

白川選手の3R TKO勝ち。

 

技術は朴選手が上回っていましたが、3Rに白川選手の打撃に捕まってTKO負け。

白川選手は最初のダウンで朴選手のガードに入って休んでいた。

その後ブレイクでスタンド再開でKO出来たが、

43歳のおっさん相手にダウンを取って上をキープして判定勝ちを狙うようでは

大した選手にはならないだろうなと実感。

 

朴選手はもうRIZINは潮時ではないか?打たれ弱くなっているし、

なんせ実力がもうローカル前座レベル。

この実力で朝倉未来選手に対戦表明していたのは信じられない。

プロ選手なら自分の実力の現在地を把握する必要があるし、

周りも指摘する必要がある。

 

 

内村洋次郎 vs. 萩原京平

萩原選手の1R KO勝ち。

 

あっという間に萩原選手が内村選手をKO。

内村選手は相当打たれ弱くなっているのだなと感じた。

こうなると技術はあって身体は衰えてなくても、

MMAファイターとしては潮時だと思う。

 

 

竿本樹生 vs. 北方大地

竿本選手の判定3−0勝ち。

 

事前予想では階級下の北方選手が

フィジカル負けするのではないかとしていたが、

北方選手がフライ級の身体をある程度作ってきて、

思ったよりはグラウンドで力負けしなかった。

しかし、それでもまだ階級差は見えており

全体的にパワー負けした感じ。

減量がキツいなら仕方ないが、ストロー級で見たい。

 

 

住村竜市朗 vs. レッツ豪太

住村選手の判定2−1勝ち。

 

語るところが無い試合。

スプリットや微妙な判定の場合、

どちらにも勝ちをあげたいと思う試合はあるが、

この試合はどちらにも負けをつけたいという試合。

打撃も交錯しないようなものでしかなく、

組んでも膠着してブレイクを連発。

 

住村選手は勝ってRIZINに定期的に呼ばれるようになりたいと

話していたが、この内容では勝っても次は呼ばれないだろう。

 

 

扇久保博正 vs. 瀧澤謙太

こちらでたくさん書いてます。

 

 

朝倉未来 vs. 斎藤裕

斎藤選手の判定3−0勝ち。

 

3ラウンドで朝倉選手がダウンを奪ったので

ニアフィニッシュという観点で朝倉選手の勝ちかなと思ったら

斎藤選手の判定3−0勝ちになった。

フラッシュダウンでニアフィニッシュとまでは認められなかったか。

 

打撃のヒット数は明らかに斎藤選手の方が多かった。

しかし試合後の朝倉選手の顔は綺麗で、

パンチが当たる寸前で衝撃は流していたということか。

それにしても貰いすぎで印象が悪すぎた。

 

斎藤選手の強打を3,4発貰っても打ち返してダウンを取るのは

ものすごい才能なので、朝倉選手はまだまだ強くなりそう。

 

勝った斎藤選手もまだまだ強くなりそう。

フェザー級が活性化してくるとさらに面白くなる。

 

 

江畑秀範と太田忍について

キックの試合だが言いたいことがある。

江畑秀範はテコンドーの強豪で少し注目されていた。

どれくらいキックボクシングに対応してくるのか?と思っていたら

テコンドーの構えのまま試合をして、パンチに全く対応できていなかった。

さらにひどいのはスタミナが切れており、戦える準備ができていなかったこと。

「2分3Rがテコンドーのルールなので、3分3Rをまともに、練習で軽いスパーリングをしたことはあるんですけれど、本気のスパーリングをしたことがなくて。」

【RIZIN】テコンドー江畑秀範「東京オリンピック団体戦へ向けてしっかり練習したいと思っています」 - ゴング格闘技より

3分3Rの強いスパーをしたことがない?

そんな状態でよくプロの試合をしたなと。

みんなお金を払って見ているんですよ。

 

テコンドーでオリンピックを目指すのは構わない。

それはそれで頑張ってほしい。

しかしプロでお金もらってキックボクシングの試合をするなら、

ちゃんとキックボクシングに対応して、

少なくともフルラウンド戦えるスタミナはつけてこいよと。

テコンドーの片手間でしょうもない試合をして小銭稼いでるんじゃないよと。

 

RIZINもこんなに仕上がってないのをリングにあげるなという話です。

晦日レスリングのオリンピックメダリストの太田忍氏が

所英男選手とMMAの試合をすることが発表されていたが

今回の江畑秀範を見ると、太田忍氏も仕上がってない状態で

出て来るのではないかと疑ってしまう。

相手もMMAセミリタイア状態の所選手を引っ張ってくるのも

余計に仕上がってないことを疑わせる要素。

 

太田忍氏は参戦挨拶後に解説に参加して色々話していましたが、

紅白歌合戦の審査員じゃないんだからMMAの素人を座らせるなと。

本人も試合をする前から解説なんかするもんじゃない、断れと。

せっかくのプロのMMAの試合が台無しだったなと感じた。

 

 

 

瀧澤謙太 vs. 扇久保博正 感想

 

応援している瀧澤謙太選手のRIZIN2戦目が終わりました。

結果は判定3−0で扇久保選手の勝ちでした。

 

瀧澤選手を応援していたので、もちろん勝てるのがベストでしたが

勝てなかったからといって応援しなくなるわけではありません。

これからも応援します。

 

冷静に試合を振り返るのも大事なことなので

試合の感想を書かせていただきます。

 

 

互角の1,2ラウンド

1ラウンドは様子見もありましたが、

そこそこお互い手数が出ていました。

 

扇久保選手は後にヒットするハイキックも序盤から出していました。

ノーモーションの速いローキック、ミドルキックも多用して

遠い距離からの攻撃が多かったです。

おそらく瀧澤選手のパンチをもらわないよう、

警戒しての作戦だったと思います。

1ラウンドは一度もテイクダウンには行きませんでした。

 

瀧澤選手も左アッパーからの右ストレートや

首相撲からの膝など今までにあまり出さなかった

攻撃パターンを多彩に繰り出し、

これまでの試合と比較すると1ラウンドから手数が出ていました。

 

1ラウンドは完全に互角。

ラウンド終盤は瀧澤選手が前に出て押しているようにも感じました。

 

2ラウンドもお互い手数が良く出ており、

大きなヒットはないものの、着実に削り合います。

扇久保選手は右のローキックもよく繰り出すようになり、

有効な攻撃に見えました。

ラウンド中盤には扇久保選手が組みに行くも、

瀧澤選手はしっかり切ります。

 

瀧澤選手も左のジャブがよく伸びます。

これは今まであまり出してこなかったパンチであり、

非常にいい組み立てのパンチだと思います。

これは今後の大きな武器になります。

 

解説はやや扇久保ペースと言っていましたが、

それは少し扇久保選手にひいきした見方でしょう。

全く差はありませんでした。

 

 

まさかの3ラウンドのダウン

そして3ラウンド。

お互いここで明確な差が欲しいところです。

ラウンド開始直後に扇久保選手の左右のフックの

コンビネーションからの左ハイキックがヒットし、

瀧澤選手がダウン!

まさか身長が16cmも下の相手からのハイキックが当たるとは

思っていなかったでしょう。私も思っていませんでした。

 

そのダウンから扇久保選手ががぶり、瀧澤選手は凌ぐも

組みに変化して扇久保選手がテイクダウンを取りました。

瀧澤選手は一度立ち上がるもそのタイミングで後ろを取って

また投げてテイクダウン。今度は後ろを取ります。

こういうのは扇久保選手は本当に上手いです。

 

このままリアネイキドチョークに入られてもおかしくありませんでしたが

瀧澤選手は正対してガードに戻します。

しかし、ガードからなかなか立たせてくれません。

これも扇久保選手は本当に上手いです。

しかもパスガードとガードに戻す動作を繰り返すことで

動きもあるためブレイクにもなりません。

 

そして二度目のバックを取られて万事休すかと思いきや

なんと瀧澤選手は上を取り返して立ちます。

これは素晴らしかった!

最後は残り20秒程度で時間がありませんでしたが

果敢にKOを狙いに打ちにいきます。

しかしロープを繋ぐ紐に脚が絡まってしまうアクシデントもあり、

十分に打ちにいけずに試合終了のゴング。

 

判定は3ラウンドで明確に差をつけた扇久保選手に軍配が上がりました。

 

 

試合はベストバウト級

瀧澤選手は負けてしまいましたが、いい試合は出来ました。

メインも(私の事前予想に反して)激闘だったので

どちらがベストバウトか甲乙つけがたいですが、

瀧澤 vs. 扇久保戦もベストバウト級だったのは間違いないでしょう。

 

3ラウンドでダウンを取られた後、一本を取らせなかったのは大きいです。

そして、最後に立てたことはもっと大きいです。

ここに瀧澤選手の驚異的な粘り強さ、気持ちの強さが表れていました。

 

面白い試合をする選手は絶対に呼ばれます。

この敗戦を糧にもっと強くなって、

来年は更なる飛躍を遂げることを期待しています。

 

 

扇久保選手も進化していた

この試合の1番の誤算は、扇久保選手がさらに進化していたところです。

試合前に分析した際には、

扇久保選手は自分の得意な形(=組みに行く)に強引に持っていくため、

パンチをもらいやすいことを指摘していましたが、

今回は無理に組みにいくことはなく、距離も遠目にして打撃をもらわないようにしていました。

近づいてきたら左のノーモーションのキックで対応していました。

 

なかなか打撃を当てる隙がこの試合はなかったです。

瀧澤選手の打撃を警戒しての作戦だったかもしれませんが

MMAファイターとして進化した形に見えました。

 

事前の予想で瀧澤選手の勝ちとしたのは、

打撃の貰いやすさ、負けん気を出した時の打ち合いで

勝てるだろうと目論んでいましたが

その欠点を今回は全く見せませんでした。

 

もしかすると、実際は扇久保選手にかなり余裕があったため

戦い方を変えてもよかっただけなのかもしれませんが、

新しい味を出していたように感じました。

 

 

少しだけど大きい差

今回、事前の勝者予想では扇久保選手勝利の予想が多く、

展開はテイクダウン&グラウンドで圧倒するとされていました。

 

実際はテイクダウンにいったのは2ラウンドに1回、

そして3ラウンドのダウン後の1回と、計2回でした。

2ラウンドの組みは切りましたし、

3ラウンドもダウン後のテイクダウンにも関わらず、

一本は取らせませんでした。(なかなか立てませんでしたが)

周囲が思っていたほど、グラウンドでは差はなかったと思います。

 

しかし、結果的に打ち合いで負けてしまいました。

これは瀧澤選手にとっては久々の出来事なのではないでしょうか?

 

打ち合いで負けたと言っても紙一重の差ではあったと思います。

しかし、瀧澤選手の生命線である打撃で、

扇久保選手が危ない場面が無かったのも事実。

 

ここは少しの差ではありましたが、

瀧澤選手は少なくとも打撃戦では

勝たないといけないファイトスタイルのため、

大きな差でもあると言えます。

 

今後は打撃ももう一段レベルアップする必要があるのでしょう。

きっとそれも成し遂げると信じています。

 

 

まずは休んでいただきたい

試合開始直後に解説の高田延彦氏がいいことを言っていました。

「瀧澤選手は9月の金太郎戦から短い期間で仕上げてくるのは大変な作業である」

 

本当にその通りで、なかなか2ヶ月のショートスパンで

金太郎→扇久保博正と連戦を受ける人は少ないと思います。

 

個人的には勝ったり負けたりしながら強くなっていけばいいと思っているので

試合間隔や相手を吟味する選手よりよほどいいと思います。

レコードに傷がつくのを恐れている選手は、所詮そこまでの選手です。

 

しかし、仮に大晦日の試合オファーがあったとしても

今回ばかりはお断りしていただきたいです。

ダメージも多少あると思います。

4ヶ月で3試合は常軌を逸しています。

あまりMMAを知らない人が言っているのかもしれませんが

晦日で見たいという意見は鬼畜なのかと思ってしまいます。

 

連戦での身体の負担も大きいので、

まずは回復に専念していただき、

来年春あたりにまた強くなった姿を見せていただきたいです。

 

次回は現地に応援へ行きたいです。

 

 

 

 

RIZIN25予想【※MMAのみ】

 

いよいよRIZIN25が今週末に迫っています。

今回は会場観戦が叶いませんが、PPVで観戦します。

 

いろんな人がやっていますが事前に勝敗予想をしておきます。

(キックはわからないのでMMAのみです)

 

 

朴光哲 vs. 白川陸斗

MMAファイターとしてのキャリアは最終盤に入っている朴選手。

前回は修斗ランカーの青井選手に打撃で押されて判定負け。

青井選手の打撃は大振りながら、朴選手が前に出るともらってしまうため

なす術なしといった試合内容でした。

 

白川選手は青井選手と同じくらいの実力だと思いますが、

打撃の精度は白川選手が上回ります。1発の威力は青井選手ですが。

朴選手は打撃をかいくぐって組みに行く必要がありますが

その動体視力は既に無くなっているように思えます。

しかし、老獪な試合運びでKOはさせないでしょう。

 

白川選手の判定勝ちと予想。

 

 

内村洋次郎 vs. 萩原京平

内村選手、前回はUFC帰りの堀江選手には圧倒されて判定負け。

萩原選手はキャリアでは堀江選手に及ばないものの、

そこまで実力が劣るとは思いません。

 

さらに、内村選手はかなり打たれ弱くなってきています。

MMAは技術や実力が優っていたとしても、

打たれ弱いと負けてしまうことが多いです。

 

萩原選手は8月からRIZIN3連戦でコンディションが不安ですが

状態がキープ出来ていれば、内村選手がジリ貧になってくるでしょう。

 

萩原選手のKO(TKO)勝ちと予想。

 

 

竿本樹生 vs. 北方大地

北方選手は現役のパンクラス王者。

しかし北方選手はストロー級で、この試合は57kg契約とほぼフライ級。

せっかくチャンピオンを参戦させるなら、適正体重で組ませて欲しかったです。

 

北方選手はMMAの総合技術が高い選手です。

打撃のコンビネーションも巧みで、グラウンドの攻防も得意です。

しかし、体格差が大きすぎるためその総合力が削がれてしまう懸念があります。

 

竿本選手は体格差を活かしてグラウンドで潰せるかどうかがカギ。

北方選手はなるべく下にならないようにしたいところ。

おそらく体格差で下からひっくり返すのは厳しいです。

 

勝ちに徹してグラウンドで漬ければ、竿本選手が有利だと思います。

スタンドの打撃でKOしたいと少し色気を出すと北方選手にチャンスが来ます。

しかし、戦略家の宮田和幸氏が師匠でセコンドにいますから、

最後までスカ勝ちの誘惑に負けずにいけるのではないでしょうか?

 

竿本選手の判定勝ちと予想します。

 

 

住村竜市朗 vs. レッツ豪太

戦績が物語るように、住村選手が優勢です。

レッツ選手は1発の打撃はありますが、実力がある選手には

これまでその打撃を発揮できていません。

住村選手もパンチをもらいがちだったり、

後半でスタミナが切れてくる面もありますが、

DEEP王者として、ここは負けられないところ。

 

住村選手のKO(TKO)勝ちと予想します。

 

 

扇久保博正 vs. 瀧澤謙太

こちらで詳しく書いています。

 

 

朝倉未来 vs. 斎藤裕

全く噛み合わない試合になりそうです。

 

朝倉選手は相手の弱点を徹底的に分析して、

相手の土俵にはあまり付き合わずに試合を進めていくタイプ。

斎藤選手は直近の負けはグラップラー相手で

前回の摩嶋戦でも1Rはグラウンドで漬けられて圧倒されていました。

おそらく朝倉選手はグラウンド中心に試合を進めると思います。

 

距離が詰まるとすぐに組みにいき、テイクダウンが取れても取れなくても

ブレイクを繰り返す展開になると思います。

それがずっと続いて最後まで・・・となりそうです。

9月のRIZINの北岡vs.久米戦のような感じ。

 

朝倉選手の判定勝ちと予想しますが

どっちの勝ちでもいいというような感じになるのではないかと思います。

 

この予想を覆してくれるような激闘であれば嬉しいですが・・・

 

瀧澤謙太 vs. 扇久保博正【RIZIN25】試合前徹底分析

 

応援している瀧澤謙太選手の

RIZINでの2戦目が早くも決定しています。

 

対戦相手は扇久保博正選手。

修斗世界王者で、現在はいわゆるRIZIN四天王の1人。

実績では大きく瀧澤選手を上回ります。

 

では、その実績通り扇久保選手が優勢で、

瀧澤選手に勝ち目がないのか?

両者の過去の試合を見ながら考えてみます。

 

どうせ公平には考えられないので、

瀧澤選手はどうしたら勝てそうかというのを

セコンドでもプロでも専門家でもありませんが

真剣に考えてみます。

 

 

・両者の戦績を確認する

最初に両者の戦績を振り返ります。

まずは扇久保選手から。

f:id:RM_horse:20201030111807j:image

Wikipedia; 扇久保博正

あまり昔の戦績を振り返っても参考にならないので、

2010年以降の戦績を載せています。

 

2010年以降で18戦して14勝4敗は素晴らしいの一言に尽きます。

負けた相手も堀口恭司朝倉海エドゥアルド・ダンタスと非常に強い3名。

 

堀口選手と朝倉海選手は言わずもがなですが、

エドゥアルド・ダンタス選手は扇久保選手に勝った後に

Bellatorに参戦してバンタム級王者になった正真正銘の強豪です。

つまり、強い選手にしか負けていないのです。

勝ち星の取りこぼしもしない選手と言えます。

 

2017年まではフライ級で試合をしていましたが、

2018年のRIZIN参戦からはバンタム級に階級をあげています。

修斗でフライ級の試合を挟んでいますが、RIZINではバンタム級

そこからの活躍もめざましく、DEEP王者元谷選手

パンクラス王者石渡選手勝利しています。

 

今のところ、戦績だけ見れば堀口選手と朝倉海選手以外の

日本人選手には負ける気がしないのではないでしょうか?

 

一方の瀧澤選手はどうでしょうか。

瀧澤選手はWikipediaのページがないのですね。

MMAに詳しいウィキペディアンの方お願いします!)

 

仕方ないので海外のMMAサイトの

Sherdogを引用させていただきます。

f:id:RM_horse:20201030114157j:image

Kenta Takizawa MMA Stats, Pictures, News, Videos, Biography - Sherdog.com

 

石井逸人選手と金太郎選手(外村雄人が本名)を破って現在2連勝中ですが、

3戦前にはパンクラスバンタム級タイトルマッチで

ハファエル・シウバ選手に敗れています。

(シウバはその不自然な筋肉の付き方から、

 明らかなドーピングユーザーでしたが)

 

ハファエル・シウバは石渡選手に敗れており、

その石渡選手は扇久保選手に敗れている。

三段論法で扇久保選手が優勢と考えるのは自然ですが、

果たしてそんなに簡単な話でしょうか?

 

瀧澤選手はここ1年で体付きが見違えるほどで

ファイターとして大きく伸びている最中です。

 

そもそも三段論法が裏切られることはRIZINでも証明されています。

堀口選手はマネル・ケイプ選手に一本勝ちしていますが、

朝倉海選手にはKO負け。その朝倉海選手はマネル・ケイプと2戦して

1勝1敗ながらも接戦のスプリット判定の1勝と、KO負けの1敗です。

 

当然、勝敗には相性やコンディションも影響します。

あまりに実力差があればそんなことも関係なくなりますが

瀧澤選手と扇久保選手にはそこまでの実力差はないと考えています。

となれば相性次第では瀧澤選手にも勝ちの目はあるということです。

 

 

・扇久保選手の欠点と、瀧澤選手の勝利へのポイント

扇久保選手の試合映像は、YouTubeRIZIN公式チャンネルで

元谷戦、石渡戦、朝倉戦の3試合アップされています。

非常に参考になると思いますので、見ていきましょう。

 

 

3試合を通して言えるのは、

扇久保選手は結構パンチをもらうタイプだなと思いました。

ディフェンスの上手い選手と思っていたわけではないですが、

詳しく試合を見てみると、思ったよりもらってしまうなと感じました。

 

おそらく驚異的な打たれ強さがあり、大きなもので無ければ

パンチをもらうことを臆さずに自分の試合を組み立てることで、

試合を有利に進めているのだと思われます。

 

ただ、どれだけ生粋の打たれ強さがあっても、気持ちが強くても

MMAは打たれ弱くなる時が必ず来ることは

これまでの歴史で証明されています。

ヒョードルのマン振りパウンドを何発でも耐え抜いたノゲイラや、

K-1時代から抜群の打たれ強さを武器にしていたマークハントですら

キャリア晩年はノックダウンが目立つようになりました。

 

MMAにおいて生涯打たれ強い選手などいない」

が20年この競技を見てきた私の持論であり、それが正しければ

元谷戦でも石渡戦でもパンチをもらいまくり、

さらに前回のKO負けを考慮すると

そろそろ打たれ弱くなってくる時期ではないでしょうか?

 

そう考えると、KO率が非常に高い瀧澤選手は

扇久保選手からすると、周りの評価以上に難敵だと思います。

 

パンチをもらいすぎることが、

扇久保選手の最大のウィークポイントでしょう。

改めて戦績を確認すると、堀口選手と朝倉海選手は

戦績が優秀というだけでなく、KO率も高いファイターです。

倒すパンチを持っている瀧澤選手は相性が悪いと言えます。

勝機は当然あるでしょう。

 

具体的にどういうパンチが当たるのか?

元谷戦および石渡戦では、両者が得意なパンチということもあり、

ジャブやストレート系のパンチの被弾が多かったです。

しかし、瀧澤選手はストレートは得意ではありません。

(もちろん試合の終盤になればフックも当たると思います。)

 

では、瀧澤選手の打撃はかわされてしまうのか?

それは朝倉戦にヒントがあり、KOに繋がったのはアッパーでした。

 

扇久保選手がガードではなくパンチをかわすパターンは

3試合通してダッキングしかなかったです。

(ハイキックはスウェーバックでかわしている)

ダッキングに来たところにアッパーがよく当たります。

 

アッパーは瀧澤選手も得意としているパンチ。

上記の通り、扇久保選手はパンチをもらいやすいので

これは2,3ヶ月で改善していることはないでしょう。

 

瀧澤選手の前回の試合では、左右のフックで

金太郎選手からダウンを取っていますので、

フックを警戒してくるはずです。

そして、ダッキングで頭が下がったところにアッパーが入る

これがKOパターンで最も有力です。

 

また、瀧澤選手が金太郎戦で多用していた

ボディへの膝からフックのコンビネーションも

当然ながら警戒してくると思います。

 

扇久保選手は朝倉戦で序盤にもらったボディへの膝が

きいていたようにも見えるので、

特にボディへの膝に関しては対策をしてくるはずです。

 

石井戦のように、前に出てきた相手に対する

カウンターの膝であれば狙えますが

自ら前進しての膝は、後述のテイクダウンのこともあるので

今回は多用するのは危険ではないかと考えています。

 

しかしながら相性で言えば瀧澤選手が有利ではないか?

というように考えています。

 

 

・瀧澤選手の負けパターンを考える

逆に扇久保選手の長所についても考えてみます。

扇久保選手はオールラウンドながらもどちらかというと

グラウンドで勝負した方が強いと言われています。

 

テイクダウンは基本的には相手の打撃に合わせた

カウンターのタックルです。

試合の中終盤なら打撃のコンビネーションからタックルに

繋げてくることもありますが、序盤はカウンターのみです。

瀧澤選手はテイクダウンディフェンスに自信を持っていますが

扇久保選手はタイミングが絶妙なので

全て切れるとは思わない方がいいでしょう。

 

元谷戦ではリフトしてテイクダウンを取るシーンが何度かありました。

背中で手首をガッチリホールドされると、そういったスラム気味の

テイクダウンは防ぐことが難しいですが、

重要なのはテイクダウンを取られてからの対応です。

パスガードに関してはそのタイミングで立つこともできるので

むしろ積極的に狙ってくるならありがたいくらいですが、

バックを取られると脱出は困難です。

RIZINはリングなので壁を使って立つことはできないので

いかにバックを取られないか、すぐ立てるか

そして、消耗しないかが重要になってきます。

 

瀧澤選手が負けるとしたらテイクダウン地獄で消耗して

ヘトヘトになってしまうパターンだと思います。

元谷選手もこのパターンで敗れています。

その対策は私が書くまでもなくみっちり仕上げると思いますが、

負けパターンとしては最も有力だと記しておきます。

 

 

・扇久保選手の意外な武器にも注意

また、もう一つあまり言われていませんが

扇久保選手には意外な武器があります。

それはローキックです。

 

上の試合映像の石渡戦では、1Rから前脚へのローキックを多用しています。

インローもアウトローもどちらも繰り出していました。

素早いモーションでそれほど振りが大きいキックではないのですが、

2Rの開始時点で石渡選手の右のももは赤く腫れているように見えました。

 

おそらく後々きいてくる効果的な攻撃です。前にも出にくくなります。

ローキックをまともにもらい続けるのはよろしくないでしょう。

また、インローに見せかけての左ミドルも上手いです。

 

試合の記者会見で扇久保選手は

「蹴りでも負けない自信がある」

と話していました。

 

これは負けず嫌いのハッタリではなく、

きちんと試合で裏付けされた、

自分なりに根拠を持っての発言なのでしょう。

 

 

・おまけ:記者会見等の両者の発言を紐解く

上記で記者会見での発言を拾いましたので、

両者のこれまでの発言から、実際はどうなのか、

試合ではどうなるのか考えてみます。

 

▪️扇久保選手「瀧澤選手はパンチが上手くない」

この発言の真意はおそらく

ジャブやストレートといったコンビネーションを

使わないことに起因しているのではないかと思います。

ボクシングっぽさがないということではないでしょうか?

 

確かに私も前に瀧澤選手の課題のひとつに

ストレート系のパンチが欲しいことを書いています。

 

しかし、それはパンチが上手くないという理由ではなく、

単に長距離レンジのパンチもあると、組み立ての幅が広がるなという理由です。

別にMMAにおいてボクシングっぽさは必須ではないと感じています。

 

ボクシングっぽいパンチでも、優れたストライカーはたくさんいます。

代表格はニック・ディアスです。

彼のパンチはよくヘタウマパンチと言われ、

見た目には腰が入っているようには到底見えないパンチですが

相手に確実ダメージを与えています。

 

MMAの歴代PFPとも言われるジョン・ジョーンズ

ボクシングっぽさはなかったですし、

割とそういう選手はいるものです。

 

そもそも、瀧澤選手はパンチで数多くのKO、ノックダウンを奪っています。

見た目に綺麗なパンチ、コンビネーションでなくても倒せればいいのです。

(瀧澤選手の打撃が綺麗でないとは思いませんが)

 

瀧澤選手は堀口選手や青木選手などと同様に、

バックボーンをうまくMMAに昇華した選手と言えるでしょう。

それは扇久保選手も理解していると思いますので

特に油断していることはないとは思いますが、

パンチは大したことないと油断してくれていたらチャンスですね。

 

 

▪️瀧澤選手「扇久保選手に空手っぽさは感じない」

一方で扇久保選手は空手のバックボーンがあるものの、

その戦いぶりはオーソドックスなMMAファイターという感じです。

なので瀧澤選手からも空手っぽさはないと発言がありました。

 

私はMMAらしさに変貌しようが、バックボーンに傾倒したスタイルであろうが

強ければどちらでもいいと思っているので、

強くなる道に進めばいいと考えています。

バックボーンを生かした方が勝てるならそうすればいいですし、

これまでを捨てることで強くなるならそうすべきなのです。

 

この試合は両者空手をバックボーンにしながらも、

空手をMMAに昇華した瀧澤選手と

MMAらしさを追求した扇久保選手の試合とも言えそうですね。

 

ただし、先述の通り扇久保選手は蹴りも強そうなので

そこは空手のエッセンスが継承されているのかもしれません。

 

 

▪️扇久保選手「今回は勝ちにいく、面白い試合は考えない」

扇久保選手は自身のYouTubeチャンネルや取材等で

勝ちに徹するような発言をされています。

 

媒体は忘れてしまいましたが、

前回の朝倉戦では勝気すぎて打撃でいってしまった

という趣旨の発言もあったと記憶しています。

 

瀧澤選手の直近の負けは、

ハファエル・シウバ戦のリアネイキドチョークによる一本負けなので、

発言通りならそれを狙ってテイクダウンで漬けてくる戦略で来ると思います。

 

そうするとまともに打ち合ってはくれないので、

上記にもあげた通り、いかにタックルを切れるか、

テイクダウンを取られてもいい形にさせないか

ということが重要なのですが、

一方で「レベルの違いを見せつける」

とも発言しています。

 

そもそも朝倉戦の作戦でスタンドの打撃で勝負しよう

なんて絶対に考えていないのですから、

いい打撃をもらった後に負けん気で打ち合っていったはずです。

 

試合序盤は冷静ですからテイクダウン中心で組み立ててくると思いますが

時間が進むにつれて負けん気が出てくるはずです。

2ラウンドの後半や3ラウンドは打ち合いに付き合ってくれます。

瀧澤選手は序盤有利に進められなくても、試合の中終盤では必ずチャンスがきます

 

 

▪️瀧澤選手「前回KO出来なかったが、今回はド派手にKOしたい」

当然ながらKOは目指していますが、

何ラウンドまでに倒すといったような、時間の明言はしませんでした。

前回の金太郎戦の前は、必ずKOで、3ラウンドまでいかないのではないかと

本人が発言していましたが、今回は違います。

 

特に試合序盤では思い通りにいかないこともあることがわかっているのでしょう。

そんなに甘い相手じゃないと。

 

しかし上記の通り、焦らずに凌いでいれば必ずチャンスは来ます

瀧澤選手は前回の金太郎戦でも

2ラウンドまでは思い通りにいっていなかったはずですが

3ラウンドで逆転して勝利しています。

なので2ラウンドまでに圧倒されたとしても焦ることはないので、

そこは心配していないです。

 

 

・一応の勝敗予想

勝敗予想を書いてこのエントリーを締めます。

瀧澤選手の3ラウンドKO勝ちと予想しておきます。

 

これはKO勝ちが見たいというよりは、

KOが1番勝ちやすいかなという見解です。

 

扇久保選手は2回もスプリット判定で勝利しているように、

その闘いがRIZINのジャッジに響きやすいのだと思います。

 

気負わず、力まず闘って欲しいです。

MMAファンとして純粋にいい試合になると思っているので

楽しみにしています。

 

 

 

不倫は悪である

 

ここ5年くらい、有名人の不倫が2ヶ月に1回くらいはニュースになる。

そのニュース自体は他人のことなのでどうでもいいのだが、

不倫に対する考え方、捉え方については物申したい。

 

 

・不倫は悪であり、離婚は子供への虐待である

最近になると、不倫で有名人の仕事が奪われるのはおかしい

不倫は犯罪ではないから大したことないみたいな意見がよく見られる。

 

有名人の仕事がなくなることに対する考えは後述するとして、

不倫は大したことないというのは考えが浅い

 

いきなり結論を言うと、不倫は悪だと思っている。

なぜなら離婚するからである。(しない場合もあるのだろうけど)

離婚すると子供は父子家庭か母子家庭になる。

(今回は子供がいる前提の話)

 

これは子供からしたら、自分に全く非がないのにも関わらず、

勝手にお父さんあるいはお母さんと離れて暮らすことになるわけである。

なぜ親の身勝手な理由で子供の心を傷つけるのか?

離婚は虐待の一種ではないかと思う。

 

よくシングルマザー、シングルファザーが大変みたいな風潮があるが

1番大変なのは子供だと言いたい。

そして親が大変なのは知ったことではない。

 

離婚の原因が不倫で自分に落ち度がなかったとしても

結婚前にそういう人だと見抜けなかった落ち度はある。

そこから子育ては始まっている。

「向こうが不倫したから離婚した。自分は悪くない。しょうがない。」

ではない。

子供から見ると関係ない。

だったら最初からそんな人と結婚するなよって話。

 

だから離婚を作り出す不倫は悪であり、大罪である。

刑法で裁いて欲しいと思うくらいである。

 

 

・母子家庭だった私の子供時代

実は私自身、小学1年生の頃に親が離婚し、そこから母子家庭で育っている。

別にそのために不幸な子供だったとまでは言わないが、

精神的、金銭的には少なからず負担はあった。

 

一昔前は学校側も母子家庭に対する配慮はあまりされておらず、

帰ってお父さんに教えてもらえと言われたりだとか、

父の日にお父さんの似顔絵をプレゼントしようだとか

そういったことが平気で横行していた。

似顔絵に至ってはお父さんはいないと言うと、

父親の顔を思い出して描けと言われたこともある。

 

また、今はそういうことはほぼないと思われるが、

団地の子と遊ぶなと同様に、お父さんいない子と遊ぶなみたいな大人もいた。

幸いにもそうじゃない友達もそれなりにいたが、

自分でどうしようもないことを理由につるむなと言われるのは

差別以外の何物でもないだろう。

 

普段気にしていなくても、そういったことが起こる度に

自分は父親と離れて暮らしている、父親はいない現実を突きつけられる。

 

中学に上がるまでは

「なぜウチだけお父さんと離れ離れに暮らしているのだろうか?」

と毎日ではないけれどしばしば考えていた。

 

金銭的にも厳しかった。

離婚後に母の実家に戻って暮らすわけだが

母は専業主婦だったので正社員にはなれず、

収入の低いパートタイマーをするのがやっと。

母の父(私から見て祖父)は既に定年退職しており、

離婚の翌年に母の母(私から見て祖母)は病気で亡くなり、

祖父はその後認知症になり、年金生活に。

特に援助があったわけではなかった。

 

少ない収入で私と兄と母の3人暮らしで、明らかに貧乏だった。

私が中学に上がる頃に、兄は高校に入学するのだが、

兄は障害を持っているため養護学校に入り、負担も大きくなった。

さらに父からの養育費の不払いも発生し、この頃は極限状態だった。

唯一の楽しみの部活で、サッカーのスパイクが壊れたのに買えず、

サッカーを一度辞めたときは本気で死のうかなと思ったくらい。

(その後たまたまサッカーを辞めた

 別の中学の人のスパイクを貰えてなんとかなる)

 

こんな家庭環境では、小6の時点で自分が大学に行くのは不可能と判断していた。

しかし、超超超田舎の高校に行っても、

ロクなところに就職することはできないこともわかっていた。

特に当時は就職氷河期と言われていた時代である。

 

当時考えた苦肉の策が授業料の免除がききやすく、

就職率も高い高専に入ることだった。

 

中学の成績はさほど高くなかったが、なんとか高専に合格した。

しかし、授業料の免除の条件は

・収入が低いこと

・半分より上の成績

だった。

収入面はクリアしているが、成績は自分次第。

授業料を払えるわけがなかったので、

成績が落ちれば退学確実だった。

 

しかし高専の勉強が自分に合っていたのか、

そこまで勉強を必死に頑張ったわけではなかったが

(むしろ研究の方が頑張ったくらい)

授業料は1円も払わずに卒業することができた。

 

そしてド田舎の高校に進学していたら

絶対に入社できない企業に就職して今に至る。

 

 

以上を読んで、離婚は子供に影響が無いと言いますか?

 

別に母親を恨んでいるわけでは無い。

母はかなり頑張っていたし、感謝もしている。

(養育費をちゃんと払わなかった父親は恨んでいる。

 というより父親と認めていない。)

 

ただ、余計な枷(かせ)を履いたことは事実。

両親と暮らすことに越したことはないのだから、

離婚は悪であり子供への虐待なのだ。

 

 

 

・不倫によって仕事を奪われるのは不当なのか?

冒頭の話に戻ろう。

不倫が報道されると多くの芸能人は仕事が無くなるか、

もしくは自ら活動を自粛している。

 

それに対して、不倫と仕事は関係なく、

仕事を奪われるのはやりすぎだという意見が

特に芸能人の同業者から多く出る。

さらに不倫を許さない日本は不寛容だとか、

日本人の民族性への批判にまで発展することもある。

世論で仕事を奪っているというよりは勝手に自粛しているのに。

 

これに関しては芸能人がなぜ収入を得ているか?

というシステムを考えれば、

仕事が無くなるのは当然だと思う。

 

民放のテレビの地上波放送は無料で視聴できるわけだから、

芸能人の収入も番組の制作費も、元を辿ればスポンサーが出している。

そのかわりスポンサー企業のCMを流すことで大きな広告効果を得ている。

よくCM出演のギャラは高額だと言われるのは、

テレビCMの広告効果が大きいからである。

 

CMに直接出演している人は、当然企業の広告塔であるし、

番組の出演者も間接的に企業の広告塔なのである。

 

不倫は確かに前科がつくようなものではないが、

モラルに反する行為なのは間違いない。

企業からしたら、モラルに反する人を広告塔にはしたくない。

なので広告塔から外れる(番組に出演できない)のは当然である。

 

よって、芸能人が不倫で仕事なくなるのはおかしいだの言っているのは

何を甘えたこと言っているんだと思っている。

 

会社員なら会社のための労働の対価に給料が貰えるので不倫は関係なく、

アーティストなら不倫がバレても作品が売れれば収入になる。

(スポンサーがつきにくいというのはあるだろうけれど。)

 

ただし、芸能人はイメージ作りも仕事なわけで、

そりゃ仕事に支障が出るでしょうという話。

 

最近話題になった水泳選手の不倫に関しても、

日頃の収入や活動費は所属先やスポンサーが負担していたわけで

シンボルアスリート制度にも適用されていたとのこと。

この制度はJOCが肖像権を管理した上で

JOCのスポンサー企業のCMに優先的に出演して、

JOCからの協力金も支払われていたとのこと。

所属先との契約に関しては、個別に私生活の項目があったかなかったか

わからないのでなんとも言えないが。

 

そんなガチガチの広告塔ならば、

収入や活動費がなくなるのは致し方ないだろう。

不倫してても水泳が優秀ならいいじゃんとは言うけれど、

企業だってボランティアでサポートしているのではなく、

広告塔としてスポンサードしているわけである。

 

スポーツと私生活の倫理観は関係ないが、

スポンサードするしないの自由は企業にある。

会社員になれば不倫歴は関係ないので、

働いて自分で活動費を稼いでスポーツをすればいい話。

所属先がないと大会に出られないというのも

わかっていながらそういう行為をしていたということ。

自業自得以外の何物でもない。

(水泳連盟が出場停止処分したのは疑問だが)

 

 

・まとめると

▪️そもそも不倫しなきゃいいじゃん

▪️離婚は子供への虐待

▪️それを作り出す不倫は悪

▪️不倫される方もそういう人だと見抜けなかった

     子供への負い目を感じるべき

ということを長々と書きました。

 

子供がいないなら当人同士で勝手にすればいいが、

子供をつくるなら絶対に離婚はするなよと、

相手のことを見抜いておけということ。

夫婦関係を良好な状態に継続することも

子育ての大事な役目であり、それを怠るのは虐待と変わらない。

 

気軽に結婚して、

気軽に子供つくって、

気軽に離婚しすぎだと思う。

 

それが許される風潮だけは阻止したい。

 

 

 

RIZIN24 全体感想

 

もう旬が過ぎましたが観戦したRIZIN24の感想です。

 

 

・各試合感想

各試合の感想を少しだけ書きます。

MMAのみです。

 

▪️第一試合 矢地祐介 vs. 大原樹里

大原選手が判定2対1で勝ち。

 

倒し倒されの激戦となったが、KO寸前まで追い込んだ大原選手に軍配が上がった。

気になったのは矢地選手は8月にTKO負けしてからのショートスパン。

非常に危険ではないか。その影響で打たれ弱くなっている感があった。

本人は負けた後は試合をしたがるのは当然で、止めるのがジム。

興行側もTKO負け後のショートスパンでのオファーは疑問。

危機管理能力が低いことが露呈した試合だと思う。

 

あと、大声を出さない、マスクをする、立ち上がって応援しない

ということを再三アナウンスされていたが、

大原選手の応援団約20人くらいが完全に無視して大騒ぎしていた。

そこまでならモラルのない応援団がついて大原選手かわいそうだな

という印象だが、ラウンドインターバルでルール無視する応援団に

大原選手も手を挙げてこたえていた。

モラルのない奴につく応援団はモラルがないんだなと実感。

 

▪️第三試合 スダリオ剛 vs. ディラン・ジェイムス

1R終了後に出血によりジェイムス選手が続行不可能でスダリオ選手の勝ち。

 

ジェイムス選手はMMAが出来ていなかったのでスダリオ選手の実力はわからず。

次にちゃんとMMAが出来る相手と組まれたときが、本当のデビュー戦と言えそう。

 

煽りVではスダリオ選手(元貴ノ富士)に関して

「一度の失敗で人生終わりですか?」

みたいなことを連発していたが、暴行やパワハラは失敗とは言わない。

しかも彼は一度ではない。少なくとも角界で二度暴行事件を起こしている。

人間性が腐っているだけ。

関取を廃業してMMAに転向すればリセットされるわけではない。

一生暴力をふるう人間だと思われて暮らさなければいけない。

 

▪️第四試合 芦田崇宏 vs. 萩原京平

芦田選手が1Rで一本勝ち。

 

下馬評通り、実力差があった試合。

芦田選手は次戦はRIZINかDEEPかわからないが

朝倉未来選手と対戦するにはもう少し実力ある選手を倒した実績が欲しい。

キックルールの試合もほのめかしているが、もったいない。

萩原選手は今後はDEEPやパンクラス修斗

着実にキャリアを積むことになりそう。

 

▪️第五試合 RENA vs. 富松恵美

RENA選手が判定3対0で勝ち。

 

率直に申し上げて今まで生観戦した中で最も退屈な試合だった。

体格差はかなりあったが、RENA選手はなかなか前にいけない。

1ラウンドはシャドーボクシングで終わったのはプロの試合とは言えない。

富松選手も後半は取れるわけないタックルに行って猪木アリ状態を狙うのみ。

この試合内容で爽やかにマイクが出来るRENA選手には違和感。

 

▪️第六試合 金太郎 vs. 瀧澤謙太

こちらでたくさん書いてます。

 

▪️第八試合 久米鷹介 vs. 北岡悟

久米選手が判定2対1で勝ち。

 

期待していたが全く噛み合わなかった。

久米選手が前進しながらパンチを2発ほど繰り出してクリンチしてブレイク。

その繰り返しに終始した。

久米選手は実力があると思うが、決め手がないのかもしれない。

 

▪️第九試合 武田光司 vs. 川名雄生

武田選手が判定2対1で勝ち。

 

3Rでお互い顔面にパンチがヒットしまくる激戦になった。

判定は全くわからなかった。

改めて見返してみても、全くわからない。

なので、川名選手の勝ちだろ!と怒っている人は

何を根拠にそんなに断言できるのか理解出来ない。

逆に武田選手の勝ちで妥当とも言えない。

どちらが勝ちでも納得という、そんな試合だった。

 

パンチはお互い当てていたが、倒すような決定的なパンチは

しっかりかわしていたということだと思う。

それはディフェンス能力の高さと打たれ強さだと思うが

「試合を決める能力」という点でお互いに課題が残る内容ではないか?

 

判定に関しては、北米では打撃のヒット数をリアルタイムに統計を取っていて

おそらくジャッジもその値を判定の参考にしている。

(打撃のダメージを数値化したサイトもあるくらい)

個人的にはそうした値を参考にするのは、

ヒットした「数」にとらわれすぎるので良くないと思うが

この試合に限っては、その数で判定するのが妥当だったのかもしれないと思わせる。

※打撃のヒット数は数えていません。

 

▪️第十試合 朝倉海 vs. 昇侍

朝倉選手の1R TKO勝ち。

実力差は当然あったが、モチベーションの上がりにくい試合で

きっちりTKOで決めるのはさすがの一言。

朝倉選手は試合を決める能力が非常に優れている。

ここまでの決める能力を持っていた選手は、

歴代の日本人ファイターでも五味選手、KID選手くらいではないか?

グラウンドを含めても吉田選手、青木選手くらい。

今の日本人バンタム級なら頭ひとつふたつくらい抜けていると思う。

 

しかし、朝倉選手も最初から強かったわけではなく、

昨年から急速に強くなった感がある。

MMAは国籍や年齢は関係なく急激に強くなる時期がある。

RIZIN24終了時点では日本人バンタム級朝倉海選手の天下だと思うが

早ければ今年の大晦日にどうなっているかはわからない。

 

▪️第十一試合 那須川天心 vs. 皇治

那須川選手が判定3対0で勝ち。

MMAの試合ではないが、書きたいことが色々ある。

 

大方の予想に反して皇治選手はダウンすることなく判定までいった。

しかし皇治選手の攻撃が那須川選手に届くことはなかった。

ダウンしなかっただけで別に善戦でも何でもなく、完敗だった。

 

RIZIN移籍時から武尊選手の名前を出したり、

話題になれば勝負論は関係ない人だと思っていたので、

この試合で那須川天心からダウンとられなかった、

盛り上げたと満足なんだろうなと考えていたが、

試合後には完敗で悔しいとコメントしていた。

 

それには皇治選手も1人の競技者なんだと見直したが、

それなら武尊選手の名前を出したりせずに、

自分の実力で話題になるように努めるべき。

これまでの発言で完全に色物と思われている。

 

しかし、RIZINで1戦ながらもうやることがないのではないか?

これまでRIZINのリングに上がったキックボクサーと対戦しても

これ以上盛り上がることもないし、対戦の意義が薄い。

 

あとはいわゆる皇治軍団のルール無視の声援はいただけない。

これに関しては後述する。

 

 

・RIZIN24の良かった点

後で指摘箇所は嫌というほど書くので、先に良かったところを書きます。

 

▪️非常に見やすい構図

これまでさいたまスーパーアリーナでは何度か観戦したことがあったが

200レベル相当の席(SS自由席)は初めてだった。

非常に見やすく、モニターを見て観戦することはほとんどなかった。

UFCでも同じ200レベルの席で見たときは見えにくさを感じることがあったが

今回は全くそんなことは感じなかった。

なお、アリーナ席はリングの高さがあるので見えにくさはあったかもしれない。

そこは実際に見ていないのでわからず。

 

▪️演出面のすごさ

時代の変化により、昔よりは表現が抑えめながらも

煽りVは素晴らしいし、会場のレーザービームの演出も華やかで非常に良かった。

やはりリングと客席を置けば成立するものではない。

花道から入場曲に合わせてリングに向かう選手の表情も様々で、

そういったところも楽しみの一つ。

試合が1番のエンターテインメントなのは間違いないが

素晴らしい演出が試合を何倍にも面白くさせる。

 

ただ一点注文をつけるならば、

高田延彦氏の「出てこいや!」に合わせた爆発音は大きすぎる。

離れた席だったからまだ良かったものの、

近くの人は鼓膜が破れるんじゃないかというほどだった。

何より小さな子供は連れていけない。

あれはやめて欲しい。

 

▪️スムーズな進行

ほとんど時間通りに進行していたと思われる。

開始時刻も大きなズレはなく、

試合終了後に待ち時間もなくすぐに始まった。

この点は非常に優秀だったと思う。

 

 

・要改善点

今後に向けて改善が必要なことを書いていきます。

 

▪️声援問題

上記の試合の感想でも書いたように、

観戦ルールとして大声禁止が再三アナウンスされていたにもかかわらず、

随所にルール無視の声援が上がっていました。

 

特に皇治選手の応援団(皇治軍団)は、数も圧倒的で

ものすごい数の人間が歓声を上げていたため、

地上波放送でも歓声がそのまま流れたようです。

 

SNSの反応を見る限り、確信犯的に皇治コールをしていたようである。

※この確信犯は誤用ではなく、

「応援で声援を送るのは正しいこと、いいことでしょ?

 大声禁止のルールが間違っているんだよ」ということ。

 

RIZIN皇治軍団の熱を届けられて良かったとか、

アウェーの地で声援が上回っていて感動したとか、

そんな声が多かったです。

(もちろん、あの声援はどうなのか?という意見もありました)

 

このご時世に人数限定ながら観客ありで興行を出来る意味を理解していない。

9月中旬に他のスポーツでの観客動員制限が緩和されたが、

榊原代表によると、格闘技は大声が前提なので対象外となったとのこと。

今後の規制緩和のためにも格闘技ファンはルールを守れることを示そうと

呼びかけていたにも関わらず、ルールを完全無視です。

そして、今回は運営側が大声を注意する場面はありませんでした。

 

先日、さらにスポーツイベントの観客動員制限が緩和されており、

大声を出さずにマスク着用100%、大声を出している人を個別に注意することで、

収容率上限の100%を動員することも出来るようになりました。↓

スポーツイベントの再開に向けた感染拡大予防ガイドライン

出典:日本スポーツ協会

 

しかしRIZINは絶対に無理です。

なぜなら格闘技ファンはルールを守れないから。

そして運営も注意をしないから。

 

大会終了後の総括でも記者会見でも

榊原代表から声援に対する言及はありませんでした。

要はチケットをたくさん買ってくれる皇治軍団には何も言えないのです。

こんなのでよく規制緩和をお願いできるものですね。

その前にやるべきことがあるでしょう。

 

チケットが高いのも、行きたい人がチケットを買えないのも、

PPVが高いのも、クラウドファウンディングが多いのも

全てルールを守らないファン、守らせない運営のせいです。

 

特に那須川天心 vs. 皇治は先に発表してもらったおかげで

皇治ファンはたくさん現地で観ることができたものの、

ギリギリで決まったカードは、出場が決まった時にはもう売り切れで

そのファンはチケットが買えませんでした。

そういった人たちの思いも平気で踏みにじったのが皇治軍団です。

自分さえ気持ち良ければルールも他の人も何も関係ない。最低最悪の軍団です。

 

ファイター側もこの状況で試合が出来るのは当たり前と思わず、

自分のファンにはルールを守らせる意識は必要でしょう。

 

 

▪️物販が長蛇の列に

会場ではグッズの販売がありましたが、

列が非常に長く、懸念されている密な状態を作り出していました。

実際にグッズを買った人から話を聞いたところ、

1人の購入で会計や商品詰めに何分も時間を要し、じれったい状態だったとのこと。

担当者の不出来はあっただろうが、

事前にネットで会計を済ませて整理番号をつけて会場で商品を渡すだけ

などの方式を取れば良かったように感じる。

チケットがスマホで表示できる時代に

グッズは会場で全部済ますというのは工夫がなさすぎです。

 

 

▪️SS自由席とS自由席の差は?指定席に座席がなかった人もいたとか・・・

今回、会場の座席は以下のような販売形態でした。

・VIP指定席 100,000円

・SRS指定席  30,000円

・SS自由席  20,000円

・S自由席    13,000円

 

私はSS自由席を購入しました。

自由席は2種類あり、S自由席はより遠いところの席なのだと思っていました。

実際そうなんだと思いますが、自由席は会場入り口のチケット確認してから

各席の入り口でチケットを確認する係員が全くいませんでした。

 

つまり、7,000円安いS自由席を買った人も自由にSS自由席に入れる状態でした。

こういうのは性善説はダメです。

SS自由席を買った人が損をしています。

別に7,000円返金しろとまでは言いませんが、気分は悪いです。

金額差を設けているなら、厳格な管理が必要です。

 

また、Twitterでは指定席を買ったのに

その番号の席がなくて立ち見をしたという投稿を見かけました。

これは事実ならば許されません。

自分がこの被害にあったら、詐欺事件として被害届を出すことを検討するでしょう。

存在しない座席のチケットを空売りしたのですから当然です。

絶対にあってはいけないことです。

 

 

・今後の観戦は?

MMAの生観戦は好きですが、

瀧澤謙太選手の試合以外では生で観戦しに行こうとは思わない

のが今の印象です。

 

イベントの演出面、進行面は古くはPRIDE時代からのノウハウがあるのか素晴らしいが

先述の通り運営管理の面は未熟が過ぎており、観客の不利益も多く、

それに対する総括もできていないように映ります。

 

MMAは好きなのでRIZINには頑張って欲しいが

応援以外では現地に行くまでの価値は見出せていません。

 

それでも瀧澤選手の応援には今後も行くので、

その時に管理の面でも成長していれば見方は変わってくると思うので

少しだけ期待しておきます。