RM_horseの競馬コラム

RM_horse別館コラム

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瀧澤謙太 vs. 扇久保博正 感想

 

応援している瀧澤謙太選手のRIZIN2戦目が終わりました。

結果は判定3−0で扇久保選手の勝ちでした。

 

瀧澤選手を応援していたので、もちろん勝てるのがベストでしたが

勝てなかったからといって応援しなくなるわけではありません。

これからも応援します。

 

冷静に試合を振り返るのも大事なことなので

試合の感想を書かせていただきます。

 

 

互角の1,2ラウンド

1ラウンドは様子見もありましたが、

そこそこお互い手数が出ていました。

 

扇久保選手は後にヒットするハイキックも序盤から出していました。

ノーモーションの速いローキック、ミドルキックも多用して

遠い距離からの攻撃が多かったです。

おそらく瀧澤選手のパンチをもらわないよう、

警戒しての作戦だったと思います。

1ラウンドは一度もテイクダウンには行きませんでした。

 

瀧澤選手も左アッパーからの右ストレートや

首相撲からの膝など今までにあまり出さなかった

攻撃パターンを多彩に繰り出し、

これまでの試合と比較すると1ラウンドから手数が出ていました。

 

1ラウンドは完全に互角。

ラウンド終盤は瀧澤選手が前に出て押しているようにも感じました。

 

2ラウンドもお互い手数が良く出ており、

大きなヒットはないものの、着実に削り合います。

扇久保選手は右のローキックもよく繰り出すようになり、

有効な攻撃に見えました。

ラウンド中盤には扇久保選手が組みに行くも、

瀧澤選手はしっかり切ります。

 

瀧澤選手も左のジャブがよく伸びます。

これは今まであまり出してこなかったパンチであり、

非常にいい組み立てのパンチだと思います。

これは今後の大きな武器になります。

 

解説はやや扇久保ペースと言っていましたが、

それは少し扇久保選手にひいきした見方でしょう。

全く差はありませんでした。

 

 

まさかの3ラウンドのダウン

そして3ラウンド。

お互いここで明確な差が欲しいところです。

ラウンド開始直後に扇久保選手の左右のフックの

コンビネーションからの左ハイキックがヒットし、

瀧澤選手がダウン!

まさか身長が16cmも下の相手からのハイキックが当たるとは

思っていなかったでしょう。私も思っていませんでした。

 

そのダウンから扇久保選手ががぶり、瀧澤選手は凌ぐも

組みに変化して扇久保選手がテイクダウンを取りました。

瀧澤選手は一度立ち上がるもそのタイミングで後ろを取って

また投げてテイクダウン。今度は後ろを取ります。

こういうのは扇久保選手は本当に上手いです。

 

このままリアネイキドチョークに入られてもおかしくありませんでしたが

瀧澤選手は正対してガードに戻します。

しかし、ガードからなかなか立たせてくれません。

これも扇久保選手は本当に上手いです。

しかもパスガードとガードに戻す動作を繰り返すことで

動きもあるためブレイクにもなりません。

 

そして二度目のバックを取られて万事休すかと思いきや

なんと瀧澤選手は上を取り返して立ちます。

これは素晴らしかった!

最後は残り20秒程度で時間がありませんでしたが

果敢にKOを狙いに打ちにいきます。

しかしロープを繋ぐ紐に脚が絡まってしまうアクシデントもあり、

十分に打ちにいけずに試合終了のゴング。

 

判定は3ラウンドで明確に差をつけた扇久保選手に軍配が上がりました。

 

 

試合はベストバウト級

瀧澤選手は負けてしまいましたが、いい試合は出来ました。

メインも(私の事前予想に反して)激闘だったので

どちらがベストバウトか甲乙つけがたいですが、

瀧澤 vs. 扇久保戦もベストバウト級だったのは間違いないでしょう。

 

3ラウンドでダウンを取られた後、一本を取らせなかったのは大きいです。

そして、最後に立てたことはもっと大きいです。

ここに瀧澤選手の驚異的な粘り強さ、気持ちの強さが表れていました。

 

面白い試合をする選手は絶対に呼ばれます。

この敗戦を糧にもっと強くなって、

来年は更なる飛躍を遂げることを期待しています。

 

 

扇久保選手も進化していた

この試合の1番の誤算は、扇久保選手がさらに進化していたところです。

試合前に分析した際には、

扇久保選手は自分の得意な形(=組みに行く)に強引に持っていくため、

パンチをもらいやすいことを指摘していましたが、

今回は無理に組みにいくことはなく、距離も遠目にして打撃をもらわないようにしていました。

近づいてきたら左のノーモーションのキックで対応していました。

 

なかなか打撃を当てる隙がこの試合はなかったです。

瀧澤選手の打撃を警戒しての作戦だったかもしれませんが

MMAファイターとして進化した形に見えました。

 

事前の予想で瀧澤選手の勝ちとしたのは、

打撃の貰いやすさ、負けん気を出した時の打ち合いで

勝てるだろうと目論んでいましたが

その欠点を今回は全く見せませんでした。

 

もしかすると、実際は扇久保選手にかなり余裕があったため

戦い方を変えてもよかっただけなのかもしれませんが、

新しい味を出していたように感じました。

 

 

少しだけど大きい差

今回、事前の勝者予想では扇久保選手勝利の予想が多く、

展開はテイクダウン&グラウンドで圧倒するとされていました。

 

実際はテイクダウンにいったのは2ラウンドに1回、

そして3ラウンドのダウン後の1回と、計2回でした。

2ラウンドの組みは切りましたし、

3ラウンドもダウン後のテイクダウンにも関わらず、

一本は取らせませんでした。(なかなか立てませんでしたが)

周囲が思っていたほど、グラウンドでは差はなかったと思います。

 

しかし、結果的に打ち合いで負けてしまいました。

これは瀧澤選手にとっては久々の出来事なのではないでしょうか?

 

打ち合いで負けたと言っても紙一重の差ではあったと思います。

しかし、瀧澤選手の生命線である打撃で、

扇久保選手が危ない場面が無かったのも事実。

 

ここは少しの差ではありましたが、

瀧澤選手は少なくとも打撃戦では

勝たないといけないファイトスタイルのため、

大きな差でもあると言えます。

 

今後は打撃ももう一段レベルアップする必要があるのでしょう。

きっとそれも成し遂げると信じています。

 

 

まずは休んでいただきたい

試合開始直後に解説の高田延彦氏がいいことを言っていました。

「瀧澤選手は9月の金太郎戦から短い期間で仕上げてくるのは大変な作業である」

 

本当にその通りで、なかなか2ヶ月のショートスパンで

金太郎→扇久保博正と連戦を受ける人は少ないと思います。

 

個人的には勝ったり負けたりしながら強くなっていけばいいと思っているので

試合間隔や相手を吟味する選手よりよほどいいと思います。

レコードに傷がつくのを恐れている選手は、所詮そこまでの選手です。

 

しかし、仮に大晦日の試合オファーがあったとしても

今回ばかりはお断りしていただきたいです。

ダメージも多少あると思います。

4ヶ月で3試合は常軌を逸しています。

あまりMMAを知らない人が言っているのかもしれませんが

晦日で見たいという意見は鬼畜なのかと思ってしまいます。

 

連戦での身体の負担も大きいので、

まずは回復に専念していただき、

来年春あたりにまた強くなった姿を見せていただきたいです。

 

次回は現地に応援へ行きたいです。